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Comix discomix / Lio 解説(2)



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2.「土星の輪っか」と「鏡」について

 <1番Bメロの歌詞原文と筆者訳>
 Les enfants n'aiment pas rester au sol
 Depuis qu'on a marché sur la lune
 Pour ma fête professeur Tournesol
 Offrez-moi un anneau de Saturne
 子どもたちは 地上が嫌いなの
 月世界探検が あって以来ね
 私のパーティーは ビーカー教授
 土星の輪っかを プレゼントして

On a marché sur la lune(直訳:月の上を歩いた) は、「タンタンの冒険」シリーズ 17 作目のタイトル。日本では「月世界探検」として出版されています。


(左: 「On a marché sur la lune」表紙、右: 日本語版「月世界探検」)

これは前作 Objectif lune(日本版「めざすは月」) の続編で、文字通りタンタンが月を探検する話です。彼が乗る原子力ロケットを発明したのが、歌詞にも登場するちょっと変人の天才科学者、Professeur Tournesol。直訳は「ヒマワリ教授」ですが、日本版では何故かビーカー教授になっています。


(ビーカー教授)

それでは、ヒロインは何故、土星の輪っかをビーカー教授にせがんでいるのでしょう?

それは当時、NASA(アメリカ航空宇宙局) が行なっていたボイジャー計画のためです。この計画は太陽系の外惑星および太陽系外の探査を目的としていて、そのために 1977 年に無人惑星探査機ボイジャー1号と 2号が打ち上げられました。

そして、Comix discomix の歌詞が書かれたと思われる1979年~1980年の状況がどうだったかと言うと、1979年3月5日にボイジャー1号が、続いて1979年7月9日にボイジャー2号が、それぞれ木星を通過し、次の目的地の土星へと向かっているところだったのです。ボイジャー1号は1980年11月12日に、ボイジャー2号は1981年8月25日に、土星に最接近しました。


(左: ボイジャー1号、右: ボイジャー2号)


(左: ボイジャー1号が撮影した土星の写真、右: ボイジャー2号が撮影した木星の写真)

 <2番Aメロの歌詞原文と筆者訳>
 Au fond d'un verre Captaine Haddock
 Et moi dans un miroir enneigé
 Une larme de whisky et coke en stock
 Nous pratiquons l'art d'être légers
 ハドック船長の グラスの底と
 白く粉引く 私の鏡に
 ちょっぴり ウィスキー・コーク・アン・ストック
 ふたりはフワフワ 実践中なの


(ハドック船長)

Captaine Haddock(ハドック船長) は、タンタンの友人のひとり。愛すべき大酒飲みで、ウィスキーには目がありません。

一方、Coke en stock はシリーズ19作目のタイトルで、直訳は「コークス在庫あり」ですが、歌詞ではもちろん、カクテルのウィスキー・コークにひっかけています。

残念ながら、日本語版では「紅海のサメ」という、原題とは似ても似つかぬタイトルになっているため、拙訳では「コーク・アン・ストック」と原題をカタカナ表記するに留めました。まさか、「コークハイのサメ」とするわけにも行きませんし…。いや、ちょっと一瞬考えたかも?(^^;)


(左: 「Coke en stock」表紙、右: 日本語版「紅海のサメ」)

では、ヒロイン「私」の mirroir enneigé(直訳:雪をかぶった鏡)とは、一体何でしょう? Nous pratiquons l'art d'être légers(直訳:私たちは軽くなる技術を実践する)とありますから、どうやらアルコール同様、気分をハイにしてくれる物に関連するようですね…。

はい、正解は別の「コーク」、つまりコカインの吸引方法を暗示していたのでした。実は1970年代後半はコカイン・ブームと呼ばれ、それまでドラッグの主流だったマリファナが、コカインに取って代わられた時代だったのです。

そしてコカインの吸引は、鏡の上に粉末(白いため、スノーと呼ばれます)を線状に置き、鼻腔からストローで一気に吸い込むのが一般的でした。「雪をかぶった鏡」とは、何と鏡の上に置いたコカインの白い粉末を、雪に見立てていたのですね…。(^^;;


(鏡を使ったコカイン吸引の例)

参考資料:
「民主化」「自由経済」とともに世界を汚染する麻薬問題

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