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Méfie-toi / Mylène Farmer 解説(1)



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1.「ある状態」と「恥辱の蛇」について

 <1番Aメロの歌詞原文と筆者訳>
 Il m'a fallu l'impasse
 Donner ma langue au chat
 Pour contrer l'existence
 I.A.O/I.A.O
 Mon Q.I. est tenace
 Ma patience : un état
 Dompter les apparences
 I.A.O/I.A.O
 私は停止が 必要だった
 負けを見とめる 必要があった
 この存在に 立ち向かうために
 I.A.O/I.A.O
 私のIQは 辛抱強く
 耐え続けてる ある状態に
 うわべはそれと 悟られぬように
 I.A.O/I.A.O

下世話に言うと、これ、「オボコ娘が、複数の殿方とややこしい事になって、『あら出来ちゃった、どうしましょ?』」っていう歌なのです。

作詞家ミレーヌ・ファルメールは、あからさまに「出来ちゃった」と書いてはいませんけど、l'impasse (停滞) とか Dompter les apparences (いくつかの外見を抑える) とか、意味深な表現があちこちに出て来るんですもん。どうしたって、そう解釈したくなりますよ。

un état (ある状態) も、un état intéressant (ある興味深い状態 = 「妊娠」の婉曲表現) を連想させますしね。だからこそ、「取るべき道は 何通りもある」って事になるわけです。

 <2番Bメロの歌詞原文と筆者訳>
 Les chemins sont multiples
 Tout est question de choix
 Et aux paroles mortifères
 Mieux qu'une arithmétique
 L'esprit fort est le roi
 Il règne ainsi sur la matière
 I.A.O/I.A.O
 取るべき道は 何通りもある
 すべては 選択の問題
 それなら 致命的な言葉には
 計算よりも ましな何かを
 精神の強さは 王様
 こうして 物質に君臨する
 I.A.O/I.A.O

もちろん、「すべては選択の問題」と言いつつ、ヒロインが選ぼうとしているのは "中絶"。「致命的な言葉 (=妊娠の宣告) には/計算 (=産み月まであと何週間…) よりもましな何かを」ってわけですね(笑)。

 <1番Bメロの歌詞原文と筆者訳>
 Les chemins sont multiples
 Tout est question de choix
 Au diable les proses brutales
 Les colères homériques
 Tout ça n'importe quoi
 Il existe arme redoutable
 I.A.O/I.A.O
 取るべき道は 何通りもある
 すべては 選択の問題
「悪魔には 手厳しく抗議せよ」
 ホメロスめいた 激しい怒り
 すべては どうだっていい事
 恐ろしい 武器が存在するなら
 I.A.O/I.A.O

当然、この行為はカトリックではご法度ですから、ヒロインは教会から「悪魔 (=反キリスト者)」呼ばわり。それゆえ彼女は、古代ギリシアの叙事詩人ホメロスが「オデッセイア」や「イリアッド」で描いた異教の神々のごとく、激しい怒りをあらわにするのです。

「キリストの教えに背くなんて、そんなのどうだっていいでしょ!あたしはね、今すっごくせっぱつまってんの。自分の中に爆弾抱えこんでんだから!」って感じでしょうか?

(それにしても可哀相なのは、お腹の赤ちゃん。「存在」とか「恐ろしい武器」とか「物質」とか、えらい言われようなんだから…。もし口が利けたら絶対に Maman a tort! [ママンは間違ってる!] って言ってるはず…涙)。

 <サビの歌詞原文と筆者訳>
 Méfie-toi des Puissances
 Méfie-toi de l'aisance
 Au jeu du corps à corps
 L'esprit est bien plus fort
 Méfie-toi des Puissances
 Des vierges sans défense
 Leurs forces sont subtiles
 気をつけて あなたも 能天使(パワー)には
 気をつけて あなたも 安直な
 身体から 身体の 遊びには
 精神なら もっと 強いはず
 気をつけて あなたも 能天使(パワー)には
 自らを 守れぬ 処女たちの
 彼女らの 力は 微妙なの

で、こうした一連の経験から、ヒロインは自分の後輩たちに、ピンク・レディーの「S.O.S.」よろしく、「気をつけなさい 年頃になったなら つつしみなさい」と訴えているわけです。

何たって歌っているのが、あの Libertine で世に出たお方ですから、ミーちゃんケイちゃんの数万倍は説得力がありますな。

もっとも、使っている言葉が婉曲的すぎて、オバカな若い娘にはチンプンカンプンかも知れないっていう、根本的な問題があったりするんですが(笑)。

 <2番Aメロ前半の歌詞原文と筆者訳>
 Il m'a fallu l'épreuve
 De : c'est chacun pour soi
 Avaler des couleuvres
 I.A.O/I.A.O
 私は試練が 必要だった
 自分勝手な 行為の果てに
 恥辱の蛇を 呑み込む試練が
 I.A.O/I.A.O

ちなみに、このミレーヌ版「S.O.S.」には、もちろん「男はオオカミなのよ」なんてフレーズは出てきません。その代わり、ヒロインが体験した試練を Avaler des couleuvres と表現しています。

これは「屈辱を耐え忍ぶ」の意味の慣用句なのですが、直訳は「何匹もヘビを呑み込む」…。まぁ、ミレーヌお姐さまってば、ロ・コ・ツ(赤面)。

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