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Je te rends ton amour / Mylène Farmer 解説(3)



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1.「ゴーギャン」と「シーレ」について(3)

 <1番サビ前半の歌詞原文と筆者訳>
 Et je te rends ton amour
 Redeviens les contours
 Je te rends ton amour
 C'est mon dernier recours
 だから あなたに愛を返そう
 輪郭に 戻りなさい
 あなたに愛を返そう
 私の 最後の手段

 <エンディング前半の歌詞原文と筆者訳>
 Je te rends ton amour
 C'est plus flagrant le jour
 Ses colours se sont diluées
 あなたに愛を返そう
 何より 明らかな事
 その日すべての色は モノトーンに変わる

こんな風に交友関係は対照的だったゴーギャンとシーレですが、画風の面では重要な共通点があります。

hiroshige.jpggauguin4.jpg
(左:二代目歌川広重「諸国名所百景 信州木曽の雪」 右:ゴーギャン「牛のいる海景(深い淵の上で)」

sharaku.jpgschiele8.jpg
(左:東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」 右:シーレ「指を広げている自画像」

それは、どちらも浮世絵の影響を強く受け、"輪郭線" を強調したという事。ゴーギャンは、平坦な色彩と太い線の隈取り(クロワゾニスム)で知られていますし、シーレは前述の神経質な描線で精神を表現するため、わざと下地デッサンが見えるように彩色したといいます。

gauguin3.jpgschiele7.jpg
(自画像に見る輪郭線 左:ゴーギャン「レ・ミゼラブルの自画像」 右:シーレ「ほおずきの実のある自画像」

と、すれば、サビに登場する Redeviens les contours(輪郭に戻りなさい) という一見謎のフレーズは、「色を付ける前の、デッサン線の状態に戻りなさい」という意味になるのではないでしょうか?そう考えると、エンディングの Ses colours se sont diluées (直訳:その色たちは薄れてゆく)にも呼応しますしね。

ミレーヌの書く歌詞は、しばしばサビのフレーズでわざと曖昧な表現を使い、意味に多様性を持たせる傾向があるのですけど、このフレーズの redeviens も、二人称単数の命令法「戻りなさい」と、一人称単数の直説法現在「私は戻る」の両方に解釈できます。

この部分もやはり、「私」と「あなた」の両方に言及していると考えた方がよいでしょう。「お互いに染め合った色(与え合った影響)を消して、2人の関係を白紙に戻しましょう」って感じでしょうか?

ところがこのフレーズ、さらにうがった見方をすれば、「色」の慣用句に引っかけて「私」と「あなた」に全然別のメッセージを送っているとも読めるんです。

「あなた」に対しては Perds tes couleurs (直訳:色を無くしなさい→ショックで蒼ざめなさい)、「私」に向かっては Je n'en vois plus toutes les couleurs (直訳:私は二度と、それに関して、あらゆる色を見る事はない→もう決して、ひどい目に遭わされる事はない)なんて言っている解釈もアリなんですよ(笑)。

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