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California / Mylène Farmer 解説(2)

Mylene Farmer.- California from Juan Mt. Lejarza on Vimeo.



※この解説は、以前、ミレーヌファルメールの日本語ファンサイト Filament de lune に掲載させていただいていた文章を再構成した物です。

2.「サンセット」と「フリーウェイ」について

さて、舞台が舞台だけに、この歌詞にはフラングレ(英語から借用されたフランス語)が頻繁に登場します。面白いのは、そのほとんどが言葉遊びに使われている事。しかも単なる語呂合わせから思わず「うむー」と唸ってしまう考えオチまで、レベルは様々です。

ビリー・ジョエルの My life には、

♪Now he give them a standup routine in L.A.
(今、奴はロスで、スタンダップ・コメディの小屋に出てるよ)

って歌詞がありましたけど、ロスってお笑いの盛んな街なんでしょうか?思わずミレーヌに、"ふぁるめる亭まりー&えれーぬ(※注1)" なんてコンビ名(ひとりだってば!)を進呈したくなっちゃった私です(笑)。

※注1:これを書いていた 2001 年当時、ミレーヌファルメールの本名はマリー・エレーヌ・ゴティエだと言われていました(後に本人が否定しています)。

(1)語呂合わせ編

<その1>
 J'ai plus d'I.D., mais bien l'idée
 De me payer le freeway
 ID. (イデ) がわり 知恵 (イデ) があれば
 フリーウェイ代も払える

まず目につくのが、2番冒頭の J'ai plus d'ID., mais bien l'idée。 ID. はこの場合 Identity card (身分証=運転免許) の事なんですが、ミレーヌはこれをわざわざフランス語式に「イデ」と発音し、同音の idée (アイディア=悪知恵)との語呂合わせに使っています。

<その2>
 Se faire un trip, s'offrir un streap
 Sous le soleil en plein midi
 トリップついで、ストリップする
 真昼の太陽の真下

Faire un trip, s'offrir un streap も「イデ」と同種の発想ですが、脚韻にかこつけて、トンデモない物の後に、もっとトンデモない物 (streap = strip) を持って来るあたり、ちょっとセルジュ・ゲンスブールっぽいかも知れません。ちなみにゲンスブールは、フレンチにおける本歌取りの先駆者で、ヴェルレーヌの「秋の歌」を引用して「手切れ」の歌詞を作ったりしています。

<その3>
 Six a.m., j'suis offset
 J'suis l'ice dans l'eau, j'suis mélo, dis
 6時 A.M、私はオフセット、
 水の中の氷、"メロドラマ的ね(メロ・ディ)"

j'suis mélo, dis は、音だけ聞くと「私はメロディ」なんですが、綴りを見ると「私って、メロドラマの主人公みたいでしょ?」の意味。要するに、狭い複雑な人間関係の中で、くっついたり離れたりしてるんですな(笑)。

(2)考えオチ編

<その1>
 Sex appeal, c'est Sunset
 C'est Marlboro qui me sourit
 セックスアピールの サンセット通り
 マルボロが私に微笑む

Sunset は、正式名 Sunset Boulevard (サンセット通り)。ハリウッドとビバリー・ヒルズをウェスト・ハリウッド経由で結ぶ幹線道路で、ナイトスポットが多い事でも有名です。

でもこの固有名詞、直前に登場する「ミラボー橋」の引用、「日も暮れよ 鐘も鳴れ」に引っかけてるんですよ。フランスにいた頃は「失くした恋に執着する時間」だった言葉が、アメリカに着いた途端、「新しい恋が生まれそうな場所」に変わっちゃうんですから現金なお話ですねぇ。

<その2>
 J'ai plus d'I.D., mais bien l'idée
 De me payer le freeway
 ID. (イデ) がわり 知恵 (イデ) があれば
 フリーウェイ代も払える

現金と言えば、De me payer le freeway も忘れてはいけません。このフレーズは、今は亡き人生幸路師匠風に言うと、「freeway っちゅう名前がついとんのに、free (無料)とちゃうやないか!責任者出て来い!!!」っていう皮肉なのです。

<その3>
 Vienne la nuit, c'est le jet lag
 Qui me décale
 L.A.P.D. me donne un blâme
 C'est pas le drame
 日も暮れて ジェットラグが
 私をずらす
 " ロス市警 (L.A.P.D.)" が怒鳴るけど、でも
 これはドラマじゃない

jet lag (直訳:ジェット気流のズレ) は、日本語で言う"時差ボケ"の事。これが「私をずらす」と来れば、当然、時間的感覚のズレを連想しますよね。

なのに続く描写は、主人公が L.A.P.D. (ロス市警。Los Angeles Police Department)から怒られ、一瞬「まるでアメリカのドラマみたい!」と思ってしまうシーン。コラコラ!空間的感覚のズレまで、時差ボケのせいにしとったら、アカンがな!(笑)

(3)ご当地編

<その1>
 L.A.P.D. me donne un blâme
 C'est pas le drame
 " ロス市警 (L.A.P.D.)" が怒鳴るけど、でも
 これはドラマじゃない

カリフォルニアと聞いて、ついついゲイを連想してしまうのは、偏見でしょうか?でも、わざわざ L.A.P.D. なんて略語を出して来るあたり、ミレーヌは確信犯的にやってるんじゃないかなぁって気がします。

だって、フランス語で P.D. って言ったら、 pédé (ゲイ) の符牒ですよ!おまけに L.A.、特にサンセット通りが走っているウェストハリウッド地区と言えば、ゲイ人口の多い事で有名なんですもん (余談ですがこの歌詞、個人的には主人公が「ゲイ男性」という解釈もアリだと思ってます)。

ちなみに、この L.A.P.D. なる略語、ロス市警のパトカーのドアには必ず書かれているのですが、これ、フランス語式に発音すると「エラペデ」で、Elle a pédé. と同音になってしまいます。冠詞がないので、舌っ足らずに訳してみると、「この車、ゲイ乗てる」(笑)。

※注:フランス語の「車 (voiture)」は女性名詞なので、主語代名詞は elle(彼女は) となります。

<その2>
 C'est l'osmose, on the road
 De l'asphalte sous les pieds
 浸透する オン・ザ・ロード、
 足の下のアスファルトから

on the road は、この場合「旅をしているという感覚」くらいの意味で、単品では言葉遊びじゃないんですが、この"旅感覚"が身体に「浸透する」事で、サビの Sous ma peau j'ai L.A. en overdose (私の皮下に L.A. がオーバードーズ)に繋がるのです。

「オーバードーズ」って、普通は「ドラッグの摂取過剰状態」を指す言葉ですよ。ドラッグ天国のイメージを持つアメリカの都市が、ここではドラッグそのものに喩えられているのです。そう言えば、先述した Faire un trip も、そっち絡みの表現でしたよね。

(4)イミシン編

<その1>
 Six a.m., j'suis offset
 J'suis l'ice dans l'eau, j'suis mélo, dis
 6時 A.M、私はオフセット、
 水の中の氷、"メロドラマ的ね(メロ・ディ)"

j'suis offset の offset は、「オフセット印刷物」でしょうか?

だとすれば、この印刷方法、印刷ドラムと紙を「密着させて圧力をかけ」、インクを「摺り込む」のです。「ドラム」と「紙」と「インク」が何の暗喩になるのかは、ご想像にお任せしましょう。いやはや、朝っぱらからナニをしているのやら?(爆)

<その2>
 Mon amour mon Wesson
 Mon artifice
 La chaleur du canon
 C'est comme une symphonie
 私の恋 私のウェッソン
 私の花火
 銃身の熱さなら
 まるでシンフォニー

私の Wesson (スミス&ウェッソン社の拳銃)についても、同様にコメントを控えさせていただきます。(^^;

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