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Libertine / Mylène Farmer 解説(1)



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1.「月の灰」について

 Cendre de lune, petite bulle d'écume
 Pussée par le vent, je brûle et je m'enrhume
 月の灰、小さな泡沫(うたかた)
 風に押され、火が着いたらハシカになる

Cendre de lune (月の灰) は、この曲を収録したミレーヌファルメールの 1st アルバムのタイトルでもあるのですが、何だか奇妙な言葉ですね。私は昔、ミッションスクール出身の呑み友達に、この言葉について尋ねてみたことがありました。

彼によれば、「灰」という言葉は、キリスト教文化で「宴の後に残ったもの(=後悔など)」というイメージになるのだそうです。

さらに「月」は、欧米では「女性」の象徴との事。つまり「月の灰」とは、「宴の後で女に残された物」という連想に繋がるらしいんですよ。

正直これを聞いた時は、呑み屋でのウンチク話だったって事もあり、「ふーん…。わかったような、わからんような?」ってカンジでした。

ところが後日、1st アルバムの歌詞を読み返して、「なるほど」と唸ってしまったのです。確かにこのアルバム、「宴の後で女に残された物」のオンパレードじゃないですか!

例えば、LibertineAu bout de la nuit (果ててゆくこの夜に)、Plus grandir (大きくはならない) の3曲。これらの歌のヒロインは、"性の快楽" という「宴」の後で、罪悪感を噛み締めたり、放心状態に陥ったりしています。

また、"生命の謳歌" というのも一種の「宴」と言えましょう。Tristana (トリスターナ) と Chloé (クロエ) は、それを自らの手で終わらせてしまった女性を、後に残された者が悼む歌です。

戦場で殺される少年兵が主人公の We'll never die でも、状況は同じ。

命の「宴」が終わった彼を埋葬するのは、後に残された「母親」なのです (もちろん、戦争そのものが一種の「宴」と言えなくもありませんが)。

加えて「宴」には、"わが世の春" というイメージもありますね。

Greta (グレタ) のヒロインはもちろん、1920 ~ 30 年代に神秘的な美貌で世界中の映画ファンを魅了し、その後 36 才の若さで忽然と引退した、伝説の女優グレタ・ガルボです。

一方、Vieux bouc (老いた雄山羊) のヒロインがモーションをかける「悪魔」は、盛りをとうに過ぎた元プレイボーイでした (bouc =「雄山羊」には、悪魔と同時に好色者のイメージもあります)。

そして、Maman a tort は、入院した病院でわがまま放題に振る舞い、看護婦さんを泣かせてしまった女の子が、罪悪感を覚えつつも自らの行為を正当化しようとする歌なんですよね。

そう考えると、Cendre de lune というアルバムは、実によく計算して作られたコンセプト・アルバムと言えるかも知れません。

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