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Jardin de Vienne / Mylène Farmer 解説(2)



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2.「登れあの枝へ」について

まずは2番の歌詞をご覧ください。

 Ta tête penche
 Est-ce pour me voir?
 Au loin balance
 La corde noire.

 傾げた頭は
 私を見るため?
 遠くで揺れる
 黒いロープが

ここには「あなた」の俯いた頭が「私」を見下ろしていて、その向こうに黒いロープが揺れている、と書かれていますから、「私」は「あなた」の死体の、ちょうど真下にいるわけです。とすれば…。

 Monte sur l'arbre
 Comme un oiseau
 Pour que ton âme
 Monte plus haut...

 登れ あの枝へ
 小鳥のように
 あなたの御霊(みたま)が
 天に昇るよう…

に登場する Monte sur l'arbre (直訳:その木に登れ) の l'arbre (その木) は、"首縊りの木" 以外にはありえない事になりますね。

とは言え、「ねぇ坊や。アンタが首吊ったあの木に、もう一度登ってごらんなさい」では、マジにホラーですから(笑)、この部分は、身体を抜け出した「あなたの魂」への呼びかけだと考えるのが穏当でしょう。

しかしながら、この部分もまた、ブラックな深読みが可能なのです。「私」が自分自身に向けて、「登れ」と言っているとも解釈できるんですよ。

何故「私」が自分に「木に登りなさい」と言い聞かせているかと言うと、「あなた」の亡骸を下ろしてキリスト教徒として埋葬するためです。

Pour que ton âme / Monte plus haut (直訳:あなたの魂が / もっと高く昇るように) の「もっと高く」は、「首を吊って宙に浮いている状態よりも高く」。この場合は「天国に届くまで高く」の意味ですね。

このままほっといたら、「あなた」の魂は天国に行かず、地縛霊になっちゃうわけです(笑)。

とりわけ「あなた」がカトリック教徒の場合、自殺者は正規の埋葬を拒否されてしまいますから、誰かに見つかる前に、一刻も早く自然死に見せかけなければなりません。

できれば、こっそり司祭を言いくるめ、「まだ息がある」という事にして、「終油の秘蹟 (カトリックの教義では、臨終間際にこの儀式を受ければ、確実に天国に行けるとされています) 」なんかも受けさせておきたいところです。

かくして、この「あなた」は、せっかく自力で高く登っておきながら、もっと高く昇らせられるために、一旦、引きずり降ろされるという、何とも皮肉な事となるのです。本人はこれ以上、昇りたくなかったのかも知れませんし…。

ちなみに、oiseau (鳥) が登場するのは、日本語なら「鳥が木に止まる」と言うべきところを、フランス語では「鳥が木に登る」と表現するため。直訳だと違和感があるので、拙訳は苦肉の策で「木」を「枝」に置き換えました。

もしかすると、特定の種類の鳥を指しているのかも知れませんが(フクロウとか、ナイチンゲールとか)、さすがにそこまではわからなかったので、今回は「小鳥」としています。

それにしても Jardin de Vienne って、ホントに「ウィーンの庭」でいいんでしょうかねぇ?フランス中西部の Vienne 県とか南仏イゼール県の Vienne 市って可能性はないんでしょうか?(その場合、邦題は「ヴィエンヌの庭」となります)

特に Vienne 県のあたりは農業地帯として知られていますから、jardin (果樹園) も多いでしょうに…。もっとも、ブドウ農園が多そうですから、首吊りには向きませんけどね(笑)。

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