Love dance / Mylène Farmer 解説(1)


Mylène Farmer - Love Dance par MyleneFarmerVEVO

1.「愛らしい」について

この曲は、まだアルバム Monkey me (2012) が発売される前の、タイトルリストが発表された段階から興味津々でした。何故ならミレーヌファルメールが書く詞では、「ダンス」という言葉が「セックス」の暗喩になっていることが往々にしてあるからです。

実際に歌詞を読んでみたら、予感は的中。想像以上に色っぽい内容で、思わずニヤリとしてしまいましたっけ。

そんなわけで本作は、個人的にこのアルバムのイチオシ作品なのですが、残念ながらファンの評判は、あまり芳しくないようです。

やっぱり歌い出しの英語パートが、あまりにもブロークンで興ざめしちゃうのでしょうか?

けれど、そこで聴く気を失くしてしまうのは、あまりにも、もったいない!この歌の面白さは、その後に続くフランス語詞に凝縮されているからです。

という事で、まずは1番の仏語部分を原文と拙訳で紹介してみましょう。

 Doux est le cou
 Le derrière
 Du genou, co...
 ...mmissure
 De la bouche, l'en...
 ...trecuisse
 A fait mouche

 愛らしい うなじ
 ひざの裏の
 くぼみ、くち…
 …びるの
 端、両の脚の…
 …付け根
 目標 到達

冒頭の Doux est ~は文法的に言うと、~ est doux(~が甘美だ) が本来の形。主語の部分が長く、時系列につれて移り変わるため、倒置形になっていると思ってください。

で、その「時系列につれて移り変わる主語」が何かというと、ご覧の通り、1番はすべて人体パーツです。言わば、映画でいうクローズアップの手法ですね。しかも、

 le cou
 (直訳: 首)
  ↓
 Le derrière / Du genou
 (直訳: 裏/膝の ⇒ 膝裏)
  ↓
 co... / ...mmissure / De la bouche
 (直訳: 接…/…合部/口の ⇒ 口角)
  ↓
 l'en... / ...trecuisse
 (直訳: コ…/…カン⇒股間)

という、何とも意味深な登場順ですから、これは否が応でも想像力を駆り立てられてしまうわけで…(笑)。

さらに、最後の「股間」 (さすがにナンですので、拙訳では「両の脚の付け根」としておりますが) は、最終行 A fait mouche (目標に到達した or 的に当たった) の主語にもなっております。

ところが、「股間」が「目標に達した」事により、直前の「口角」が深読みを余儀なくされてしまうんですね。

ミレーヌは「口の (de la bouche) 接合部」と書いていますが、口角の意味のフランス語には、もうひとつ「唇の (des lèvres) 接合部」という言い方がありまして…。

加えてフランス語の「唇」には、人体の別のパーツを指す用法もあり…。

まあ、日本語でも À l'ombre (この場合は「影の元に」ではなく、「陰の下 [もと] に」) なら、同じ用法がありますが…。

それ以上は、秘してこそ花でございましょう。(^_^;;)

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