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Il me dit que je suis belle / Patricia Kaas(1993)



  「綺麗だ」と、その人は言う

 時だって ウンザリしてる
 悪戯に 過ぎ去ることに
 一秒も もう行かないわ
 単調な 日々の中では

 傷ついて 心を閉ざし
 涙から 拒絶が生まれ
 悔しさが 不信に変わり
 あきらめを 覚えていても

 訪れる 暗い時刻は
 最後には 灯がともるのよ
 翳りしか 見えない日々も
 夢ならば 紡いでいいの

「綺麗だ」と、その人は言う
「君だけを 待っていたよ」と
「君なのさ」 その人は言う
「この僕が 腕に抱くのは」

 甘やかに 心が溶ける
 存在も しない言葉に
 永遠に 優しい彼の
 声だけが 耳に響くの

 他人(ひと)の目を 避け自分など
 今ここに いないフリした
 街を行く 人にまぎれて
 透明に なったみたいに

 目をそらす事を 覚えた
 愛しあう 人々の前
 避けてきた 寄りそい歩き
 熱いキス 交わす彼らを

 語りあう 夜は、ひとときは
 私には 二度となくても
 ささやかれ、頬を染めたい
 夢でなら 望んでいいの

「綺麗だ」と、その人は言う
「君だけを 待っていたよ」と
「君なのさ」 その人は言う
「この僕が 腕に抱くのは」

 子供でも 信じはしない
 ウソなのに、戯れ言なのに
 夜たちは 教会になる
 夢の中、信じているの

「綺麗だ」と、その人は言う…
 ほら彼が 今、駈けて来る
 彼の手が 私をさらう
 素敵だわ まるで映画ね

 裏切りや 悲しみなんて
 シナリオに 望みはしない
「女王さ」 その人は言う
 馬鹿だけど 信じてみるの
 馬鹿だけど 信じてみるの

         (2004 年 12 月 訳了)


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